ビジュアライゼーション(グラフ)の選び方

こんにちは。Adobe Analytics Workspaceの知っておくべき便利な機能、ビジュアライゼーション(グラフ)について解説します。 Workspaceには複数のグラフが準備されていて、レポートを文字通り視覚化し直感的に状況を把握することができます。しかし、種類が豊富なためどのグラフを選ぶべきか迷ってしまうと思います。 グラフの特徴と選ぶポイントを下記の分析の目的別にご紹介します。(今回は全てのビジュアライゼーションを網羅していません。) 時系列で比較したい 数量を比較したい 構成比を知りたい 分布・関係を知りたい 1.時系列で比較したい グラフ名 説明 棒グラフ 1軸の時系列比較に適しています。例:月別コンバージョン数 積み重ね棒グラフ 2軸の時系列比較に適しています。例:月別PC/スマホのコンバージョン数 折れ線グラフ 複数軸の時系列比較に適しています。例:月別カテゴリー別のコンバージョン数 面グラフ 複数軸の時系列比較に適しています。例:月別カテゴリー別のコンバージョン数折れ線グラフに似ていますが、より数量を強調できます。 2.数量を比較したい グラフ名 説明 横棒グラフ 1軸の数量比較に適しています。例:ページビューランキング 積み重ね横棒グラフ 2軸の数量比較に適しています。例:流入元別のコンバージョン数 3.構成比を知りたい グラフ名 説明 ツリーマップ 1軸の構成確認に適しています。例:サイト内検索ワードの構成 100%積み重ね横棒グラフ 複数軸の構成確認に適しています。例:流入元別新規/リピーター比率 ドーナツグラフ 全体に対する一部の構成確認に適しています。例:新規/リピーター比率 4.分布・関係を知りたい グラフ名 説明 ヒストグラム 1軸の分布確認に適しています。例:訪問回数の分布 散布図 2軸の分布・関係確認に適しています。例:訪問回数とコンバージョンの分布・関係 バブルチャート 3軸の分布・関係確認に適しています。例:コンテンツのページビュー貢献度 レポートする目的を明確にすることが、グラフを選ぶ重要なポイントになります。Adobe Analytics Workspaceにはまだまだ沢山の便利な機能が用意されています。また別のポストで解説していきますね。

Data Warehouse利用時に注意すべきこと

こんにちは。Adobe Analytics Data Warehouse(以下DWH)は、400行を超える大量のデータをエクスポートする際にとても便利な機能ですが、いくつか注意が必要なポイントがありますのでご紹介します。 一度作成したリクエストは、停止することはできますが、削除することはできません。 設定した対象日付が完了するまでデータは配信されません。(例えば、「今月」を選んだ場合、翌月まで配信されません) メールでの配信は最大10MBです。それ以上の場合はFTP配信を利用しましょう。 月初や月末など配信が集中するタイミングでは、スケジュール設定した配信時刻がずれる可能性があります。(最大で 72 時間かかります。クエリーの複雑さとリクエストされたデータの量に応じて異なります。) データ量が膨大なリクエストを作成すると他のリクエストにも影響があります。 セグメントビルダーで作成した全セグメントがDWHで利用できるわけではありません。 ※セグメントの互換性はセグメントビルダーのサンプルデータの下の「製品の互換性」で確認できます。下記の図のようにData Warehouseが表示されないセグメントは互換性がありません。 セグメントビルダーで作成したセグメントでも、DWHではサポートされないものがあるとご存知でしたか? 筆者はとても驚いたので、備忘録としてセグメントの互換性の詳細についてこちらに書いておきます。基本的には、Analysis Workspace、Reports & Analytics、Ad Hoc Analysisは同じ、Data Warehouseは異なるようです。 Analysis Workspace Reports & Analytics Ad Hoc Analysis Data Warehouse 除外 あらゆるレベルでサポート トップレベルの特殊なケースでのみサポート 順次セグメント サポート サポートなし AND と OR の無制限の結合 サポート 一部制限あり(A AND NOT B ,として書き直すことのできる​またはこの特性を含みこの特性を除外するセグメントのみがサポートされます) 「コンテナ」のネスト サポート 一部制限あり(スコープを狭くする必要があります。例えば、訪問者はヒットを含めることができますが、その逆はできません) セグメントの積み重ね サポート サポートなし ディメンションは少し複雑です。…

Adobe Analyticsの訪問(Visit)と訪問者(Visitor)とは

Adobe Analyticsの訪問(Visit) 閲覧者がサイトにアクセスすることを訪問(Visit)といいます。セッションとも呼ばれ、一連のアクセスを1回の訪問とします。カウントされる訪問には期間が設定されており、30分間以上サイトへの再アクセスがないと訪問が終了したことになります。つまり、ユーザーが最初のアクセスから31分後にリンクをクリックすると、2回の訪問にカウントされます。反対に、30分未満の間に何度アクセスが繰り返されても、1回の訪問になります。また、30分未満でのアクセスが継続していても、12時間を過ぎると1回の訪問は終了とされ、次のアクセスは2回目の訪問とされます。 同一ブラウザの別のタブでアクセスしても、訪問は1回とされますが、別のブラウザを開いてアクセスすると、それは別の訪問としてカウントされます。また、サイト外から戻ってきたときも、それが30分未満に行われれば1回の訪問となります。 Adobe Analyticsの訪問者(Visitor) Adobe Analyticsは訪問回数やユニークユーザー数、滞在時間などをCookieを使って判断します。もし閲覧者が最初はChrome、次はFirefoxでアクセスした場合は、それぞれ別のCookieが記録されるため、同一人物のアクセスとは見なされません。Adobe AnalyticsはCookieだけでなくIPアドレスとブラウザーのユーザーエージェントを使ってユーザーを判別することもできますが、ファイアウォール越しのアクセスの場合、1回の訪問で複数のIPアドレスが使われることもあるので、ユニークユーザー数はあまり正確ではない可能性があります。訪問者がCookieを削除すると、次回のアクセスでは訪問者は新たなユニークユーザーと見なされます。 ユニークユーザーの数が訪問数より多くなることがあります。これは、Cookieを無効にしているユーザーからのアクセスがあった場合、訪問数にはカウントされませんが、1回1回のアクセスがユニークユーザーとしてカウントされるためです。

「セグメント」って何?

Adobe Analyticsのセグメント(Segment)を使うと、特定のディメンションやイベントに条件を適用し全データの中から条件に合うデータを抽出でき、実際の活動に役立つウェブ分析ができます。つまりセグメントを使うと、特定の行動をした訪問や訪問者のデータのみを取り出して、流入経路やサイト内行動を知ることができます。いくつか例題をあげて、それにどうセグメントを使ったらよいかを説明しましょう。 Adobe Analyticsのセグメントを使って分析したい行動の例 サイトに特定の(リアルな)場所からアクセスしている人を分析したい(小売りをしている店舗がその場所にあって、オフラインにその店舗がオンラインでの顧客の行動にどう影響するかを知りたいため) サイトで1ページ以上のページを見ている人の行動を分析したい(複数のページを訪問する理由を絞り込み、その知見を使って、サイトのトラフィックをもっと増やしたいため) ホームページに掲載されているメール登録リンクをクリックした訪問者が、そもそもどんなソースから来たかを分析したい(その行動につながったトラフィックのソースを特定できれば、そのトラフィックのソースにもっと投資して、さらに多くの訪問者にサインアップボタンをクリックしてもらえるはず) モバイルからの訪問を分析したい(モバイルサイトの設計を決める必要があって、さらにモバイルの訪問者が訪問した目的を効率的に済ませられるよう設計したいため) セグメントの設定方法 Adobe Analyticsのワークスペースメニューの左の方にセグメントボタンがあります。クリックすると、既に作成したものや、アクセス可能なセグメントのリストが左に表示されます。Componentの下のSegmentsを選ぶと、Segment Builderの画面(下図)になるはずです。 セグメントを作るにはここで、ディメンションと、セグメントまたはメトリクスを選びます。eVarやpropでも選択できます。使いたいメトリクスやセグメントがあればそれを定義フィールドにドラッグしてください。 次に「オペレーター」を選び、さらに「コンテナ」を設定します。 この設定をするには、Segment Builderの中で、左の列からディメンションなどを選び、それをDimensionフィールドにドラッグ&ドロップします。 「オペレーター」を理解する 次に、選択したディメンションなどからドロップダウンで「オペレーター」を選びます。名前のほか、例えば「contains」を選ぶと、その値を含むページだけを選べます。 全訪問者を含めるディメンションからセグメントを作成する場合は、「exists」オペレーターを使用します。例えばeコマースサイトでは、サイト内検索条件にディメンションを設定して、レポートに検索ボックスに入力した検索条件を取り込むことができます。レポートは検索に使った言葉を取得しますが、検索を実行したサイトの全ての訪問セグメントを作成するには、オペレータを「exists」に設定します。つまり、訪問セッションで少なくとも1回はその値が設定された全ての訪問がカウントされます。このセグメントを訪問数のメトリクスのレポートで使用すると、サイト内検索が「exists」訪問のみが表示されます。 メトリクスを「カートに追加」などの定義フィールドにドラッグした場合は、フィールドに1を、「greater than」オペレーターを入力すると、ユーザーが複数のアイテムを追加した訪問だけをセグメントに含められます。 「コンテナ」を理解する ではコンテナを選んでみましょう。 「Show」というドロップダウンメニューを選ぶと、「Hit」「Visit」「Visitor」などのコンテナを選べます。 目的にあわせてコンテナを選ぶわけですが、「Hit」コンテナ(PageViewコンテナとも呼ばれます)は、利用可能なコンテナの中で最も限定的なもので、使われることも少ないものです。Hitコンテナ内のルールがヒットと一致すると、その個々のヒットのみがセグメントに含まれます。個人の訪問内の他のヒットもルールに一致しない限り、他のヒットは全て除外されます。 「Visit」コンテナは、使用可能な3つのバケットの中で最大のものです。設定したルールに合ったヒットが見つかると、その同じ訪問内の全てのヒットを取り出します。また、個人が生成した全ての訪問に全てのヒットが表示されます。 最も幅広いセグメントが優れているとは限りません。例えば、ディスプレイ広告のようなマーケティングチャネルのセグメントを作成する場合、Visitorコンテナを使うと問題があります。1人の訪問者はサイトに何度も訪れることができますが、1つのソースからだったとしても、その他の訪問は、有料検索やソーシャルメディアなどの他のマーケティング情報源を介して行われている可能性があります。したがって、Visitorコンテナを使った場合は、ディスプレイ広告から来なかった他の多くの訪問も含まれます。いま例として設定しているシナリオでは、Visitorコンテナが最適です。 Segment Builderでは、分析対象の複数のディメンションからセグメントを作成することもできます。例えば、「exists」オペレーターを使ってメトリクス「Cart Additions」をドロップします。それから「Add Container」をクリックします。次に、「Orders」メトリクスに「equals 0」をドラッグ&ドロップします。これで、自分のカートに何かを追加したけれども購入に至らなかった訪問のセグメントが作れました。 「Options」という歯車アイコンでは、セグメントを「Exclude」する設定ができます。「does not equal」オペレータを使うのと、Excludeすることには少し違いがあります。 ホームページ以外の全てのページへの訪問を見るためのセグメントを作成しようとすると、ディメンションとして「Pages」を使えて、「page does not equal」 – 「home page」というオペレーターを使用できます。こうすると、ページがhomepageに等しくないページを少なくとも1つは見た訪問を確認できます。しかし、これはhomepageに触れたページなど、他のページに触れた訪問を含むことになります。ページが「homepage」に等しい訪問を厳密に切り捨てるためには、「Exclude」キャンバスが必要です。このオペレーターを使うと、homepageを少なくとも1回タッチした訪問は、全部削除されます。 セグメントを共有するには いったん定義したセグメントは他のユーザーと共有できます。それには Components > Segmentsと選択します。するとあなたがアクセス権をもつ全セグメントのリストが表示されます。 どれか1つを共有するには、セグメント名の横にあるチェックボックスをクリックします。オプションのリボンがページ上部に表示されるので、shareボタンをクリックして、共有するユーザーを選択します。

Adobe Analyticsのレポートの基本を押さえる

Adobe Analyticsではさまざまな情報を取り出せます。Adobe Analyticsのインタフェース画面左上にある「View All Reports」を選択すれば、全レポートがテーマごとにフォルダーに分類された形で見られる画面に変わります。 メトリクスベースとディメンションベースのレポートの違いを押さえておくと便利 各レポートでは分析しやすくするためにいろいろな操作ができます。どう使うか迷うくらいですが、どんなレポートでも表の形で表示されます。そして基本は、メトリクスベースとディメンションベースの2種類に分けられます。この2つの違いと、それぞれがどのフォルダーにあるかを知っておくことが大事です。 A.メトリクスベースのレポートのありか メトリクスベースのレポートはたいてい「Site Metrics」フォルダーにあります。そして、1つの列には日付が入っていて、日ごとの訪問数などがその隣の列に表示されています。 Page Views Visits Visitors などのほかに、ユーザーの製品購入などを示す Orders Revenues Units そしてShopping Cartという指標として Checkouts Cart Additions Cart Views などのレポートが用意されています。 B.ディメンションベースのレポートのありか さて、ではディメンションベースのレポートはどこにあるんでしょう? SiteMetricsフォルダー以外にあるレポートは、ほとんどがディメンションベースです。 例えばView All Reports > Site Content > Pages reportと移動して「PageViews」を選ぶと、各ページごとのページビューが表示されます。行、列ともに、好きな指標を選んで追加することもできます。 こうしたレポートのほかに、ディメンションとメトリクスとセグメントを組み合わせることで、ほぼ無限に近い種類のレポートを作れるようになっています。 レポートの各セクションで設定変更できること レポートを見る時には、設定を確認すべき点がいくつかあります(fig.1)。 まず「Report Suite Selector and Chage Report Date」(①)。 自分がどのウェブサイトのレポートのどの期間の情報を見ているかに注意する必要があります。 たいていの場合は、あるウェブサイトについてのレポートを見ているはずですが、企業によっては複数のサイトのレポートを設定していることもあります。間違ったレポートを見ていないかどうか確認してください。 日付については、年をクリックすると年全体が選択され、月をクリックすると月全体が選択されます。左上隅のリンクをクリックして日付範囲を指定して比較することもできますが、Adobe Analyticsでは、特定のレポートだけ日付範囲の比較が可能です。 特に、メトリクスベースのレポートでは日付範囲での比較はできません。Custom Eventsでも同様です。 一方、ディメンションベースでは、ほとんど全てのレポートで、日付範囲で指定して期間の数字を比較できます。…