Adobe Launchのカスタムコード(HTML)でデータエレメントを利用する

はじめに 広告タグなどでデータエレメントを使いたい場合など、本記事が参考になるかと思います。 実はLaunchでは%構文という仕組みがあります。これを利用すると、ルールのActionsのカスタムコード(HTML)の任意の箇所をデータエレメントの帰り値に差し替えることができます。 %(パーセント)構文の記法 データエレメント名の前後に%を追加します。 %{データエレメント名}% {データエレメント名}はデータエレメント名に書き換えます。例えば、SampleTagIdというデータエレメントの返り値に差し替えるには以下のように記述します。 %SampleTagId% 設定例 SampleTagIdというデータエレメントにて、www.implementdigital.comとそれ以外のドメインとでIDを出し分け、これをカスタムコード(HTML)のタグで利用します (1) データエレメント例 www.implementdigital.comでは「prd56789」、それ以外は初期値「dev12345」を返す例です。本例ではカスタムコードを利用していますがMapping Tableなどを活用いただいても構いません。 (2) ルール例 ACTIONS設定-1 ACTIONS設定-2 ACTIONS設定-2のscriptタグ <script> window.dataLayer = window.dataLayer || []; dataLayer.push({ uvid : “%SampleTagId%” }); </script> データエレメントの返り値に差し替える箇所を「%{データエレメント名}%」に差し替えます。 注意事項 未設定のデータエレメントを指定すると「%{データエレメント名}%」のままで出力されてしまいます。予めデータエレメントと設定とBuildまたはPublishを行っておくことをおすすめします。 参考 https://experienceleague.adobe.com/ja/docs/experience-platform/tags/client-side/satellite-object Implement DigitalではAdobe Launchの導入、運用を支援するサービスを提供しています。ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Analytics 計算指標の活用方法

はじめに Adobe Analyticsの計算指標は、既存の指標に対して四則演算や関数などを用いて計算し、新たな指標を作成することができる機能です。標準で用意されている計算指標もあり、カスタムで独自の計算指標を作成することも出来ます。カスタム計算指標の計算式はドラッグ&ドロップで直感的に作成でき、セグメントを組み合わせることも可能です。 計算指標のメリット 計算指標を利用することのメリットは以下の通りです。 柔軟なデータ分析 標準の指標だけでは把握できない、より詳細な分析が可能になります。例えば「訪問あたりの売上」や「コンバージョン率」など、ビジネスに重要な指標を簡単に算出できます。 Excel作業の削減 これまでExcelで行っていた計算をAdobe Analytics上で完結できるため、作業効率が向上します。 リアルタイムなデータ確認 計算指標はリアルタイムで更新されるため、常に最新のデータに基づいた分析が可能です。 標準の計算指標 Adobe Aalyticsで標準で設定されている計算指標は以下のようなものがあります。 カスタム計算指標の作成方法 (1)上部メニューの「コンポーネント」から「計算指標」を選択します。 (2)計算指標一覧ページで「追加」をクリックします。 (3)指標名、形式、小数点以下の桁数などを設定します。 (4)定義で計算式を入力します。指標、演算子、関数、セグメントなどをドラッグ&ドロップで組み合わせることができます。(5)「保存」ボタンをクリックします。 一般的なカスタム計算指標の活用例 以下は一般的な計算指標の例です。 ECサイトでのカスタム計算指標の活用例 以下はECサイトでの計算指標の例です。 まとめ 今回はAdobe Analyitcsの計算指標について紹介しました。計算指標を活用することで、Adobe Analyticsの分析能力を最大限に引き出し、より深いインサイトを得ることができます。ぜひ、ご自身のビジネスに合わせて、様々な計算指標を作成してみてください。 Implement DigitalではAdobe Analyticsの導入、実装、運用を支援するサービスを提供しています。ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe TargetのアクティビティQAモードの解除方法について

はじめに Adobe Targetの設定確認でアクティビティQA URLはよく使うかと思います。(余談ですが、アクティビティQA URLでページにアクセス後、施策が動作している状態をアクティビティQAモードと呼びます) ただし、アクティビティQAモードは一定期間中有効となるため、通常URLでのアクセスでもアクティビティQA URLの設定がページに表示されることがままあります。アクティビティQAモードは解除できますので、紛らわしいようでしたら都度解除することをおすすめします。 アクティビティQAモードの解除方法 Adobe Targetのライブラリ「at.js」のバージョンによって対応方法が異なります。もしご利用のバージョンが不明であれば(1) -> (2)の順で確認するとよいでしょう。 (1) at.js 2系の場合 アクティビティQA URLでページにアクセスした後に「at_qa_mode」クッキーが作成されますのでこれを削除すると解除されます。 (2) at.js 1系の場合 「at_qa_mode」クッキーは作成されませんので、アクティビティQA URLのURLパラメータ部分を「at_preview_token=」のみに書き換えて再度アクセスします。 Implement DigitalトップURLを例とすると以下のようなURLとなります。https://www.implementdigital.com/?at_preview_token= (3) Web SDKの場合 バージョン 2.19.2で確認したところでは(1)同様に「at_qa_mode」クッキーが作成されましたため、(1)同様にこのクッキーを削除します。 まとめ 今回はAdobe TargetのアクティビティQAモードの解除方法について紹介しました。 Implement DigitalではAdobe Targetの導入・実装・運用を支援するサービスを提供しています。ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe I/O JWT資格情報からOAuth サーバー間資格情報への変更について

Adobe I/O JWT 資格情報終了について Adobe Developer ConsoleでAdobe AnalyticsなどのAPIへのアクセスを可能にする資格情報を作成できます。この資格情報のうち、Adobe I/O JWT 資格情報の使用が2025年1月27日に終了となります。それまでにAdobe I/O OAuth サーバー間資格情報へ移行を行うか、新規に資格情報を行う必要があります。なお、Adobe I/O JWT 資格情報の作成は2024年6月2日に終了になります。※一部ドキュメントにはJWT 資格情報の使用の終了日が2025年1月1日、作成の終了日が2024年5月1日とありますが、2024年5月29日現在でJWT 資格情報の作成が可能なため、日付が変更になったようです。 Adobe I/O OAuth サーバー間資格情報について OAuth サーバー間資格情報は標準のOAuth 2.0 ライブラリを使用してアクセストークンの生成を行うことができ、JWT 資格情報とは異なり公開証明書と秘密鍵のペアを使用ししせん。従って期限切れに伴う証明書の更新が不要になり、秘密キーをダウンロードして保存しておく必要もなくなります。 JWT 資格情報からOAuth サーバー間資格情報への移行について サービス アカウント (JWT) 資格情報を使用しているアプリケーションの確認 ・Adobe Developer ConsoleのProjects(プロジェクト一覧)の「Filter projects」で「Attention Required > Has Service Account (JWT) credential」を選択します。 移行手順 ・プロジェクトを開き、左メニューから「Service Account (JWT) DEPRECATED」を選択します。・「1: Add an equivalent OAuth…

Adobe Analyticsのプロジェクト共有でクイックセグメントが編集可能に

はじめに これまで、ワークスペースプロジェクトを編集権限で共有しても、そのプロジェクトに埋め込まれたクイックセグメントを編集することができませんでしたが、可能になりました。 プロジェクトの共有方法 改めてプロジェクトの共有方法を記載します。「共有」から「Workspace ユーザーと共有」を選択します。 「オリジナルを編集」欄に、共有したいアカウントを設定して「更新」します。 クイックセグメントの変更 共有されたアカウントは、プロジェクトに埋め込まれたクイックセグメントを編集することができます。 まとめ プロジェクトの共有を受けたけどセグメントを編集できないと困っていた方は多いと思います。この改善で解消されます。 Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Analyticsの変数活用方法(訪問ごとに1回のみ記録するイベント編)

はじめに Adobe Analyticsの変数はトラフィック変数(prop)、コンバージョン変数(eVar)、イベント変数(events)など用途に合わせて利用可能な様々な機能が用意されています。さらに変数の中でも個別に便利な機能が沢山ありますが、多機能なため活用しきれていないことがあるのではないでしょうか? 第一回目はリストprop、第二回目はリスト変数、第三回目はカウンターeVarを、第四回目はイベントのシリアル化を紹介しましたが、今回は第五回目として訪問ごとに1回のみ記録するイベントについて紹介します。過去の記事は以下をご覧ください。 Adobe Analyticsの変数活用方法(リストprop編) Adobe Analyticsの変数活用方法(リスト変数編) Adobe Analyticsの変数活用方法(カウンターeVar編) Adobe Analyticsの変数活用方法(イベントのシリアル化編) 訪問ごとに1回のみ記録するイベントの概要 訪問ごとに1回記録するイベントは、コンバージョンの計測を行うevent変数で訪問内で1回しかカウントしないようにすることが出来る機能です。例えばお問い合わせフォームの完了ページをコンバージョンとする場合、同一訪問者が同一訪問内で複数回実施したときでも1回しかカウントさせたい場合などで利用出来ます。 前提条件 ・お問い合わせ完了のコンバージョンはevent2で計測することとします。 訪問ごとに1回のみ記録するイベントの設定例 s.events変数への設定方法は通常のevents変数に設定する方法と全く変わりません。以降で説明する管理者メニューで特別な設定を実施します。 訪問ごとに1回記録するイベントの設定方法 管理者メニューから「レポートスイートマネージャー」を開きます。 レポートスイートを選択し「設定を編集>コンバージョン>成功イベント」でカスタム成功イベントの一覧を表示します。 該当event変数の「ユニークイベントの記録」で「訪問ごとに1回ずつ記録」を指定します。 (デフォルトは「イベントを常に記録」が指定されています。) 「保存」をクリックします。 まとめ 今回はAdobe Analyitcs変数の活用方法について紹介しました。第五回目は訪問ごとに1回のみ記録するイベントについて紹介しましたが、今後も他の便利な機能について随時紹介していきたいと思います。   Implement DigitalではAdobe Analyticsの導入、実装、運用を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe TargetでMobile Viewportを利用する

はじめに Adobe Targetで施策を実施する際にはPCとSPで画面確認が必要なことは多々あるかと思います。 特にレスポンシブデザインのサイト向けであれば、Mobile Viewportが確認の一助になるかと思いますので紹介したいと思います。 Mobile Viewportとは Adobe TargetのMobile Viewportは、平たく言うと、Visual Experience Composer(以下、VECと呼称します)にて様々な画面サイズで画面表示を試すことができる機能です。 HELP: https://experienceleague.adobe.com/ja/docs/target/using/experiences/vec/mobile-viewports ※いくつかのデバイスのビューポートサイズも掲載されています   初期状態ではDesktopしかありませんがこれのパターンを増やすことができます。よって、サイトのガイドラインなどで指定された幅・高さをVEC上で擬似的に再現することで、一次確認などに活用ができます。 例えば、下図はiPhone 14の幅・高さのMobile Viewportを追加した例となります。(画面上部のComposeタブ近くにiPhone 14と表示されています) モバイルビューポートの追加 あらかじめ画面幅や高さ、OSを調べておきます。 その上で、管理者メニューのVisual experience composerメニューを開き、Mobile viewport configurationブロックのAddボタンをクリックします。 登録フォームがモーダル表示されます。 名前、幅、高さ、OSを選択してSaveボタンをクリックします。 Mobile viewport configurationブロックに保存した設定が追加されます。 Mobile Viewportの使い方 VECのギアアイコンをクリックしAdd Mobile Viewportsをクリックします。 ヘッダーメニュー下にモバイルアイコンが表示されるためクリックします。 Viewportsパネルが表示されるので追加するViewportをクリックしてONにします。 VECの画面UI部分がONにしたViewport設定の画面幅や高さにUIが変更されます モバイルアイコン右横をクリックすると横向きの表示も確認できます。 ビューポートは複数ONにできます。 以下はiPhone 12 Pro Maxの画面幅・高さのMobile Viewport設定もONした表示例となります。 帯のViewport名(上図だとiPhone 12やDesktop)をクリックするとそのViewport設定の幅・高さに表示が切り替わります。 以下は上図でDesktopをクリックした後の表示となります。 まとめ いかがでしょうか? Mobile Viewportを設定しておくとVEC設定時にちょっとした表示確認が便利になるかと思います。…

Adobe Mobile SDKのiOS 17 プライバシー マニフェスト対応について

はじめに 2024年春からAppStoreに提出するアプリにはプライバシー マニフェストに対応する必要があります。Adobe iOS Mobile SDKを利用している場合の対応方法について簡単に説明します。 必要要件 Mobile SDK for iOS/iPadOS(iOS AEP SDK) バージョン5以上ではプライバシーマニフェストが含まれていますので、バージョン5以上へのアップデートを行います。 バージョン5を使用しない場合も iOS Mobile SDK Core extensionを4.2.1 以降に更新し、reason 1C8F.1を含む独自のプライバシーマニフェストをアプリケーションに含める必要がありますが、ここでは詳細は割愛します。 プライバシー マニフェストへの記載 プライバシーマニフェストの例 プライバシー マニフェストファイル(PrivacyInfo.xcprivacy)がない場合はプロジェクトに追加します。追加する際はテンプレートにApp Privacyファイルを選択するとデフォルトで「PrivacyInfo.xcprivacy」というファイル名で作成されます。 プライバシー マニフェストのPrivacy Nutrition Label Typesにはアプリが使用しているMobile SDK Extensionに合わせて以下の値を設定します。 Collected Data Type Linked To User Used For Tracking Collection Purposes Used For Tracking と Used For Tracking には以下のIdentityの使用状況に合わせて設定します。 No…

Adobe Analyticsの低トラフィックの閾値が増加

はじめに 「低トラフィック」のしきい値が改善されます。レポート上に「低トラフィック」に分類されて、これまで分析できなかった項目もしきい値が上がることで分析対象となります。 低トラフィックとは 「低トラフィック」とは何かについては、以下の記事を参考にしてください。「低トラフィック」の仕組みを含む記載があります。 Adobe Analytics における低トラフィック値とは しきい値の変更 デフォルトのしきい値が以下のように改善されます。 しきい値のレベル 現在 変更後 低しきい値 5000,000/月のユニーク値 2,0000,000/月のユニーク値 高しきい値 1,0000,000/月のユニーク値 2,1000,000/月のユニーク値 しきい値が改善されてできるようになること セグメントは低トラフィックとして分類される値を、その対象として加えることはできませんが、改善されることでセグメントに加えることができるようになります。 レポート上に「低トラフィック」が表示されなくなります。 注意点 改善前に「低トラフィック」となった変数には適用されません。 まとめ この改善で、ディメンション項目の一意な発生件数が多く困っていた方、細かい分析ができなかできるようになります。 Implement DigitalではAdobe Analyticsの導入、実装、運用を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Analyticsの変数活用方法(イベントのシリアル化編)

はじめに Adobe Analyticsの変数はトラフィック変数(prop)、コンバージョン変数(eVar)、イベント変数(events)など用途に合わせて利用可能な様々な機能が用意されています。さらに変数の中でも個別に便利な機能が沢山ありますが、多機能なため活用しきれていないことがあるのではないでしょうか? 第一回目はリストprop、第二回目はリスト変数、第三回目はカウンターeVarを紹介しましたが、今回は第四回目としてイベントのシリアル化について紹介します。過去の記事は以下をご覧ください。 Adobe Analyticsの変数活用方法(リストprop編) Adobe Analyticsの変数活用方法(リスト変数編) Adobe Analyticsの変数活用方法(カウンターeVar編) イベントのシリアル化の概要 イベントのシリアル化は、コンバージョンなどの計測を行うevents変数で重複して回数を計測されないようにするための機能です。 例えばお問い合わせフォームの完了数をコンバージョンとして計測する場合、Thanksページのページロード時に計測すると思いますが、訪問者がThanksページを何度もリロードした場合は、その回数分カウントされてしまいます。 そのようなケースでイベントシリアル化機能を利用することで重複を回避し1回のみカウントするようにすることができます。 前提条件 お問い合わせ完了のコンバージョンはevent1で計測することとします。 お問い合わせフォームは完了ページでユニークな問い合わせ番号を発行できるものとします。 イベントのシリアル化の設定例 s.events=”event1:INQUIRY000031″; 「INQUIRY000031」はお問い合わせフォームが発行するユニークな問い合わせ番号です。 このように該当のevent変数の後にコロンを利用してイベントIDを指定することで同じ値を何回計測しても重複されないようになります。 イベントのシリアル化の設定方法 管理者メニューから「レポートスイートマネージャー」を開きます。 レポートスイートを選択し「設定を編集>コンバージョン>成功イベント」でカスタム成功イベントの一覧を表示します。 該当event変数の「ユニークイベントの記録」で「イベントIDを使用」を指定します。(デフォルトは「イベントを常に記録」が指定されています。) 「保存」をクリックします。 まとめ 今回はAdobe Analyitcs変数の活用方法について紹介しました。第四回目はイベントのシリアル化について紹介しましたが、今後も他の便利な機能について随時紹介していきたいと思います。 Implement DigitalではAdobe Analyticsの導入、実装、運用を支援するサービスを提供しています。 ご興味がありましたらお問い合わせください。