Jun
19
2025
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もう手作業は卒業!Smartsheetの自動化で業務を劇的に効率化する方法
はじめに
「このタスク、完了したらあの人に通知して…」「毎週金曜には進捗レポートをまとめて…」
プロジェクト管理や日々の業務では、こうした定型的な作業が数多く発生します。一つひとつは小さくても、積み重なると大きな時間的負担となり、時には通知漏れや更新忘れといったミスにも繋がります。
もし、そんな「いつもやっている作業」を自動化できたらどうでしょう?
今回は、多くの企業で導入されているプロジェクト管理ツール「Smartsheet」の強力な機能である「自動化」に焦点を当て、その概要から具体的なメリット、そして活用する上での注意点までを、分かりやすく解説します。
そもそもSmartsheetの「自動化」って何?
Smartsheetの自動化機能は、一言で言えば特定の条件(トリガー)が発生したときに、あらかじめ設定したアクションを自動的に実行する機能です。プログラミングの知識は一切不要で、「もし〇〇が起きたら、△△を実行する」というルールを設定するだけで、誰でも簡単にワークフローを構築できます。
【自動化の具体例】
アラートと通知:
- タスクのステータスが「完了」になったら、関係者に自動で通知メールを送信する。
- タスクの期限が3日前に迫ったら、担当者にリマインダーを送る。
更新リクエスト:
- 新しい行(問い合わせなど)が追加されたら、担当者に詳細情報の入力を依頼する。
承認リクエスト:
- 予算申請の金額が入力されたら、上長に承認を依頼する通知を送る。承認・却下の結果はシートに自動で記録される。
行の移動・コピー・ロック:
- ステータスが「完了」になったタスク行を、別の「完了済みシート」に自動で移動させる。
- 承認された行をロックして、誤って編集されないようにする。
【実践編】5ステップで簡単!自動化ワークフローの作り方
では、実際にどのように自動化を設定するのでしょうか。ここでは、タスク管理シートで「ステータスが『完了』になったら、関係者に通知する」という最も基本的なワークフローを作成する手順を例に解説します。
ステップ1:自動化メニューを開く
まず、自動化を設定したいシートを開き、画面上部のメニューバーから「自動化」>「ゼロから作成」をクリックします。

ステップ2:トリガー(きっかけ)を設定する
ワークフローの編集画面が開きます。最初に「このワークフローをいつ実行しますか?」と聞かれます。これがトリガー(きっかけ)の設定です。
今回は「ステータスが変更されたとき」がトリガーなので、「行が変更された場合」を選択し、「完了」という特定のステータスを指定します。
- トリガーブロックの「実行するタイミング」で「行が変更された場合」を選択します。
- 「列の選択」で「ステータス」列を指定します。
- 「値」で「完了」を選択します。
ステップ3:アクション(実行する内容)を選択する
次に、トリガーが満たされたときに何を実行するか(アクション)を設定します。今回は関係者への通知が目的なので、「ユーザーにアラートを送信」を選びます。

ステップ4:アクションの詳細を設定する
誰に、どのような内容の通知を送るかを具体的に設定します。
- 送信先: 通知を送る相手を指定します。「担当者」列に入っている人や、特定のメールアドレスを選択できます。
- メッセージをカスタマイズ: 通知メールの件名や本文を自由に編集できます。{{列名}}のように二重中括弧で列名を囲むと、その行のデータを件名や本文に自動で挿入できて便利です。(例:{{タスク名}}が完了しました)
ステップ5:ワークフローに名前を付けて保存
最後に、このワークフローが何をするものか分かりやすい名前(例:「完了タスクの通知」)を左上の入力欄につけて、右下の「保存」ボタンをクリックすれば完了です!
【応用】こんなアクションも追加できる!
Smartsheetの自動化では、以下のような多彩なアクションを組み合わせることも可能です。
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主なアクション | 用途の例 |
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変更の通知、情報の入力依頼、申請の承認依頼 |
シートを変更する |
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完了した行を編集不可にする、アーカイブシートに移動、操作ログを記録 |
データを変更する |
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新規タスクに担当者を自動で設定、ステータス変更時に日付を自動入力 |
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シートの情報を使って、PDFやDocuSignで契約書や請求書を自動作成(有償) |
これらのアクションを組み合わせることで、「予算申請が承認されたら、行をロックし、経理部のシートにコピーし、申請者に完了通知を送る」といった、より複雑で実用的なワークフローも構築できます。
自動化がもたらす3つの大きなメリット
では、自動化を導入すると具体的にどのような良いことがあるのでしょうか。
1. 手作業の削減とヒューマンエラーの防止
最大のメリットは、何と言っても手作業からの解放です。通知の送信、データの転記、ステータスの更新といった単純作業をSmartsheetに任せることで、担当者はより付加価値の高い業務に集中できます。「うっかり通知を忘れた」「更新が漏れていた」といったヒューマンエラーもなくなり、業務の正確性が格段に向上します。
2. 業務スピードと生産性の向上
これまで手作業で行っていたプロセスが瞬時に完了するため、業務全体のスピードが劇的にアップします。特に、複数の部署や担当者が関わる複雑なワークフローにおいて、承認や情報共有のタイムラグが解消され、プロジェクトがスムーズに進行します。
3. プロセスの標準化とコラボレーションの促進
「この場合は、誰が、何をするのか」という業務プロセスをワークフローとして定義することで、業務手順が標準化されます。誰が担当しても同じ品質のプロセスが保証され、属人化を防ぎます。また、関係者全員にリアルタイムで情報が共有されるため、認識の齟齬がなくなり、円滑なチームコラボレーションが実現します。
ここだけは押さえたい!自動化を活用する上での注意点
非常に便利な自動化機能ですが、効果を最大限に引き出すためにはいくつか押さえておきたいポイントがあります。
1. まずは「小さく」始める
いきなり複雑なワークフローを組もうとすると、設定が難しくなりがちです。まずは「タスクが完了したら通知する」といったシンプルで影響範囲の小さいものから試してみましょう。成功体験を積むことで、より複雑な自動化に応用していくことができます。
2. 通知の「送りすぎ」に注意
便利なアラート機能ですが、むやみに設定すると関係者の受信箱が通知メールで溢れかえり、かえって重要な情報が埋もれてしまう可能性があります。
- 通知は本当に必要な人に絞る。
- 緊急でないものは、1日に1回まとめて通知する「ダイジェスト」機能を活用する。
- など、相手の立場に立った設計が重要です。
3. ワークフローの全体像を設計してから設定する
思いつきでルールを追加していくと、意図しないタイミングでアクションが実行されたり、複数のルールが干渉し合ったりすることがあります。自動化を設定する前には、まず「誰が」「何を」「どのタイミングで」行うのか、プロセスの全体像を図に描いてみることをお勧めします。
4. 権限を意識する
自動化ワークフローは、作成したユーザーの権限に基づいて動作します。例えば、ワークフロー作成者がアクセスできないシートに行を移動させることはできません。また、その作成者が異動や退職でSmartsheetアカウントを失うと、ワークフローが停止してしまう可能性があります。組織で利用する場合は、管理者権限を持つユーザーや、異動の可能性が低いユーザーが設定するのが望ましいでしょう。
知っておきたい制限事項
便利な自動化機能ですが、システム上のいくつかの制限も存在します。これらを理解しておくことで、よりスムーズに活用できます。
- プランによる実行回数の上限
ご利用のプランによって、1ヶ月に実行できる自動化アクションの総数に上限が設けられています。大規模なシートで多数の自動化を行う場合は、自社のプランの上限を確認しておきましょう。
- 実行頻度の制限
「毎週月曜の午前9時」のように日時を指定して実行するトリガーは便利ですが、その実行頻度には限りがあります。「1時間ごと」や「毎分」のような、極端に短い間隔での高頻度な実行は設定できません。
- トリガーにできない操作
自動化のきっかけとなるトリガーは、ユーザーによる「行の追加・変更」や「特定の日付」など、明確なイベントに限定されます。例えば、セルの数式が再計算された結果や、レポートのデータ更新そのものを直接のトリガーにすることはできませんのでご注意ください。
まとめ
Smartsheetの自動化機能は、日々の定型業務をなくし、チーム全体の生産性を飛躍的に高めるポテンシャルを秘めています。
最初は少し難しく感じるかもしれませんが、まずは簡単な通知設定から始めてみてください。一度その便利さを体験すれば、きっとあなたの業務に欠かせない強力な武器になるはずです。
この記事を参考に、ぜひあなたのチームでも業務の自動化に挑戦してみてください!
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