Mac SafariのDeveloper ToolでAdobe Analyticsの計測確認を行う

はじめに Mac SafariにもDeveloper Toolがありますが、Chromeに比べると少々使い勝手が違うため戸惑うことがあるかと思います。ただ、簡単な計測確認であればいくつか要領を抑えるとできますので、本記事でとりあげたいと思います。   なお、以降の内容は、Mac Safari DeveloperでiPhone Safariを接続できるとiPhone Safariの計測確認にも利用できたりします。 計測確認はNetworkタブから行う ChromeのDeveloper Toolと同じ名前のためあまり戸惑わないとは思います。Networkタブをクリックするとページで発生したHTTPリクエストが閲覧できます。ここで/b/ss/やトラッキングサーバでフィルタするとAdobe Analyticsの計測リクエストを絞り込むことができます。参考:https://experienceleague.adobe.com/ja/docs/analytics-learn/tutorials/implementation/implementation-basics/how-to-identify-your-analytics-tracking-server-and-report-suites データの確認はHeadersタブを利用する 確認対象のHTTPリクエストをクリックし、HeadersタブのQuery String ParametersあるいはRequest Dataで送信データを確認することができます。 ●余談POSTデータによっては、Request Dataセクションが以下のような表示になることがあります。赤枠のアイコンをクリックするとPOSTデータの詳細をPreviewタブで表示できます。以下の画像はWeb SDKの例となります。  Preserve Logもできる クリック計測の確認など、ページ遷移前後のHTTPリクエストも消えないようにしたい場合はPreserve LogをONにします。   Mac Safariだとフィルタテキストの入力欄右横にボタンがあります。これをクリックするとPreserve Logを選択できます。Preserve LogをクリックするとチェックONとなりボタンも少し青く表示されるようになります。 おわりに ちょっとした確認だとプロキシツールを使わずともSafariのDeveloper Toolにて代替えすることができます。iPhone Safariでも活用できますので、アドオンやプロキシツールが利用できないようなケースに活用いただければと思います。 備考:AAの計測リクエストのパラメータ説明 Experienceリーグのページで紹介されていますのでこちらも合わせて確認してくださいhttps://experienceleague.adobe.com/ja/docs/analytics/implementation/validate/query-parametersImplement DigitalではAdobe Launchの導入、運用を支援するサービスを提供しています。ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Web SDK移行に伴う Adobe Analytics 処理ルール実装の変更点

はじめに Adobe Analytics を実装する方法として以前はAppMeasurementが用いられていましたが、新しいAdobe Web SDKへの移行にともないレポートスイートの処理ルールの実装について違いをまとめました。処理ルール自体は変わらないですが、入力データの形式とデバッグ方法が大きく変わります。 変更点について まず、ルールが参照する「入力データ」の違いについてまとめました。 項目 AppMeasurement Web SDK データの送信先 Adobe Analyticsデータ収集サーバーに直接送信。 Adobe Experience Platform Edge Networkを経由して送信。 変数の形式 従来のAnalytics変数 (eVar1、prop1、campaignなど) を使用。 XDM (Experience Data Model) スキーマに基づく標準化されたデータ構造を使用。 処理ルールへの入力 クライアントから送信された従来の変数。 Edge Networkでマッピング・変換された従来の変数。 データの取得方法 JavaScriptコードやタグ拡張機能で変数に直接値をセットする。 XDM形式でデータを収集し、データストリームでAnalytics変数にマッピングする。 ※XDM(Experience Data Model) はAdobe Experience Platform全体で利用される統一されたデータスキーマです。具体的な変化としては、 XDMデータの利用: Web SDKはデータをXDM形式で収集し、Edge Networkに送信します。例えば、トラッキングコードはweb.webInteraction.linkClicks.trackingCodeのようなXDMフィールドに入ります。 マッピング: Adobe Analyticsがルールで参照できるように、これらのXDMフィールドは、データストリームの設定またはデータ要素内で、従来のAnalytics変数(例: campaign、eVar1)にマッピングされる必要があります。 ルール内での参照: ルール自体は、このマッピングされた後の従来の変数名(例: 「キャンペーン変数に値が含まれる」)を参照することになります。 Web SDKの導入前後で、Adobe…

Adobe Analyticsアップデート:ついにAIからのトラフィックが可視化可能に。デジタル戦略への影響とは?

はじめに 近年、ChatGPTやGoogle Geminiといった生成AIは、単なるツールから情報収集の主要なインターフェースへと進化しつつあります。それに伴い、WebサイトへのAIによるアクセスは無視できない規模にまで増加していますが、これらはこれまで「正体不明のトラフィック」として扱われ、その影響を正確に分析することは困難でした。2025年10月、この長年の課題を解決する画期的な機能がAdobe Analyticsに実装されます。本記事では、この新機能がもたらす変化と、デジタルマーケティング戦略に与える影響について解説します。 「会話型AIツール」トラフィックの特定が可能に 今回のアップデートの核心は、「リファラータイプ」ディメンションに「会話型AIツール(Conversational AI tools)」という新しい項目が追加される点です。これにより、これまで他のトラフィックに埋もれていた生成AIからのアクセスを明確に分離し、一つの参照元グループとして分析できるようになります。初期段階でこのカテゴリに含まれる参照ドメインは以下の通りです。 chatgpt.com claude.ai m365.cloud.microsoft grok.com gemini.google.com perplexity.ai (※リストは順次拡大される予定です) このアップデートがもたらす3つの戦略的メリット AIトラフィックを可視化することは、単に新しいデータが見えるようになる以上の意味を持ちます。 1. AIの情報収集ニーズを捉え、コンテンツ戦略を最適化 AIがどのページを頻繁にクロールしているかを分析することで、AIがどのような情報を価値あるものと判断しているかを推測できます。これは、AIがユーザーの質問に答えるために参照するコンテンツ、つまり「AIにとっての一次情報源」としての評価を把握することにつながります。このインサイトは、AIに引用されやすい高品質なコンテンツを作成するための、新たな指針となるでしょう。 2. よりクリーンなデータで、正確なユーザー行動を分析 AIによる自動アクセスをボットトラフィックとして明確に除外することで、人間による純粋なエンゲージメント(滞在時間、CVRなど)をより正確に測定できます。ノイズが除去されたクリーンなデータは、サイト改善やA/Bテストの精度を飛躍的に向上させます。 3. 来るべきAIO(AI最適化)時代への備え 検索エンジンがAIによる回答生成を強化する中で、マーケターの次なる課題はAIO(AI Optimization)、つまりAIに発見・参照されやすくするための最適化です。今回のアップデートは、自社サイトがAIからどれだけ参照され、それが最終的にユーザーの訪問に繋がっているのかを測定する第一歩となります。このデータを分析することは、未来の検索流入チャネルを開拓する上で不可欠です。 まとめ この新機能は、2025年10月より順次利用可能になる予定です。生成AIの台頭は、デジタルマーケティングの常識を大きく変えようとしています。AIからのトラフィックを正確に把握し、分析することは、もはや選択ではなく必須の要件となるでしょう。まずはこのアップデートを活用し、自社サイトとAIの関わりをデータで捉えることから始めてみてはいかがでしょうか。 Implement Digitalでは、Adobe Analyticsの導入・活用支援を通じて、お客様のデータドリブンな意思決定をサポートしています。今回の新機能に関する詳細や、具体的な分析手法についてご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

【AEP Web SDK】プライバシー対策は万全?Adobe AnalyticsのActivityMapを特定のページで無効化する方法

はじめに Webサイト分析の強力な味方、Adobe Analytics。その中でも、ユーザーがページのどこをクリックしたかを可視化できる「ActivityMap」は、UI/UX改善に欠かせない機能ですよね。しかし、その手軽さの裏で、一つ注意したい点があります。それは個人情報の取り扱いです。例えば、お問い合わせフォームの確認ページやマイページなど、個人情報(氏名、メールアドレス、会員IDなど)が含まれるケースはありませんか? ActivityMapはページのリンク情報を自動で収集するため、意図せずこれらの個人情報を計測してしまう可能性があるのです。今回は、そんな不測の事態を防ぐために、「特定のページだけでActivityMapを無効化する」方法をご紹介します。プライバシーに配慮しつつ、ActivityMapの恩恵を最大限に活用しましょう!   こんな環境を想定しています。今回の設定は、以下の環境を前提としています。 タグマネージャー: Adobe Data Collection Tags (旧Launch) エクステンション: Adobe Experience Platform Web SDK 設定は簡単!2ステップで完了します。 設定の手順は大きく分けて2つです。 無効化したいページのURLリストを作成する。 データ送信の直前で、リストに該当するページのActivityMap情報を削除する。 それでは、具体的な手順を見ていきましょう。 ステップ1: 無効化するURLリストを定義する「Data Element」を作成 まずは、「このURLではActivityMapを無効にする」というリストを準備します。Adobe TagsのData Element機能を使って、このリストを簡単に管理できるようにしましょう。 Adobe Experience Platform Data CollectionのUIで、「Data Elements」メニューを開き、「Add Data Element」をクリックします。 以下のように設定します。 Name: Activity Map Disable LIST (分かりやすい名前なら何でもOKです) Extension: Core Data Element Type: Custom Code 「Open Editor」をクリックし、表示されたコードエディタに以下のコードを貼り付けます。 var _list = […

Web SDKでAdobe Targetのプロパティトークンを設定する

はじめに Adobe Targetにおいて、プロパティを分けて運用されていることがあります。この場合には、Adobe Targetのmboxコールにどのプロパティかを示すプロパティトークン(at_property)を含める必要となります。 at.js利用だとat.jsの読み込み前にAdobe Target > Properties > 対象プロパティのImplementation Code(scriptタグ)を配置しておくと対応されますが、Web SDKだと対応が異なりますので、本記事でご紹介したいと思います。 Adobe Targetにてプロパティトークンを取得する ここはat.js利用と同じです。ただし、Web SDKでは、Implementation Codeそのものではなくその中のat_property値を使用します。 前出のAdobe Target > Properties > 対象プロパティのコードアイコンをクリックします。ポップアップウインドウにImplementation Codeが表示されますので、at_property値をコピーします。at_property値はダブルクォーテーションで囲まれた箇所となります。例えばImplementation Codeが以下の場合だと、「XXXXXXXX-YYYY-ZZZZ-1234-AAAAAAAAAAAA」となります。 <script> function targetPageParams() { return { “at_property”: “XXXXXXXX-YYYY-ZZZZ-1234-AAAAAAAAAAAA” }; } </script> at_property値はData Streamやルールなどで設定します。 データストリームのAdobe Targetサービスに設定 Web SDKでAdobe Targetを利用するためには、まずデータストリームにAdobe Targetサービスの追加が必要です。その設定内のProperty Token Overrides欄がありますので前出のat_property値を設定します。(複数ある場合には改行区切りで指定します) プロパティトークンをエクステンションやルールで使い分ける データストリームの設定が完了しましたら、エクステンションあるいはルールで設定します。   Adobe Experience Platform Tagsプロパティでは、エクステンション「Adobe Experience Platform Web SDK」やルール(「Adobe…

Report Builder(Adobe Analytics)の出力先にクラウド環境が指定できるようになりました

はじめに Report Builderの出力先をしては、これまではメール送信/FTPしか選択できませんでしたが、Google、Azure、Amazonなどのクライド環境に出力できるようになりました。 利用できることによる利点 この機能がもたらすメリットは、たくさんあります。   クラウドにデータがあるので、必要な時に、必要な場所から、誰もがデータにアクセスできます。 大量の履歴データを保存できます。 BIツール等の他ツールと自動連携が可能になります。 一度設定すれば、指定した時間に自動でデータが更新されますので、常に最新のデータを保持できます。 など Report Builderの設定方法 Report Builderの設定方法は以下の通りです。 Report Builderの右側のパネルの「スケジュールされたワークブック」から「ワークブックをスケジュー」を選択します。 「その他配信」を選択し、「アカウントを追加」を選択します。 「場所のアカウント名」「場所アカウントの説明」を設定し、「アカウントタイプ」を選択します。アカウントタイプは以下から選択します。 Amazon S3 Role ARN Google Cloud Platform Azure SAS Azure RBAC 「アカウントのプロパティ」は、Amazonの場合はS3バケット名、GCPの場合はGCPアカウント内のバケット名などを指定し保存します。 「スケジュールに従って送信」を選択します。 まとめ 共有するのが難しい、他ツールとの連携する場合でもワンクッション操作は必要、などありましたが、これでかなり便利になりますね。Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Targetのアクティビティ設定や確認でちょっと役立ちそうな小ネタ

はじめに 今回はAdobe Targetでアクティビティ設定を行う際に使っているちょっとした小ネタを紹介します。 スケジュール設定関連 あれ、Goal & Settingsで開始日時を設定したのに、時間になってもアクティビティがLiveになっていない?ということがあったりします。 こちらは、アクティビティのステータスを「Scheduled」としておく必要があります。スケジュールを設定したら合わせて対応しましょう。 Scheduledに変更するにはActivateを選択するだけです。※前出のDuration設定がないとそのままLiveとなりますのでスケジュール設定は事前に行います。以下はScheduledの表示例となります。 アクティビティ名やオファー名をオファーHTMLに追加する アクティビティ名やエクスペリエンス名は「${campaign.name}」、「${offer.name}」でオファーに埋め込むことができます。パターンが多い施策の検証などで活用できるかと思います。例: 配信された上記オファーがページに埋め込まれた表示例 参考https://experienceleague.adobe.com/ja/docs/target/using/experiences/offers/passing-profile-attributes-to-the-html-offer ChromeのDeveloper Toolの要素タブの検索欄の活用 こちらはChrome関連の話題になります。HTML内の文言を探すのにはよく使われると思いますが、CSSセレクタでHTML要素を探すことができたりもします。例えば、Adobe Targetのエクスペリエンス設定で施策箇所をCSSセクレタで指定しますが、これが正しいかどうかをチェックするといったことにも転用できます。 検索欄は以下の手順で表示されることができます。 Developer Toolを開きます 要素タブを選択します HTMLの任意の箇所をクリックした後、Control + F(MacだとCommand + F)をクリックします 検索欄が表示されたら、探したいHTML要素のCSSセレクタを入力します。例えば、以下はFollow UsのFacebookアイコンのセレクタ(.futuriowp-facebook)を入力して検索した例となります。 おわりに いかがでしょうか?今回は2点紹介しましたが、他にも役立ちそうな小ネタがありましたらまた紹介できしたいと思います。ちょっとした小ネタでしたが、なにか参考になれば幸いです。Implement DigitalではAdobe Targetの導入、運用を支援するサービスを提供しています。ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe TargetのA/BテストでブックマークからのExperienceの切り替え

はじめに Adobe TargetのABテストで、QA URLで動作確認を行う場合に、エクスペリエンスを切り替えたい時に、それぞれQA URLをコピーしてアドレスバーに入れ直すのですが、実際はURLパラメーターの「at_preview_index=」の値が異なるだけなので、そこだけ書き換えれば簡単にエクスペリエンスの切り替えができます。そこで、ブックマークにjavascriptを登録してエクスペリエンスを変更する手順を紹介します。 スクリプトについて TargetのQA URLのURLパラメーターを書き換えます。location.searchに「at_preview_index=X_[Y以外の値]」(Yは目的のエクスペリエンス番号)が含まれているか確認しています。 if (/at_preview_index=d+_[^1]/.test(location.search)) { location.search = location.search.replace(/(at_preview_index=d+_)d+/, ‘$11’) } ブックマークへ登録 ブックマークへは改行・スペースを削除して以下を登録します。 javascript:if(/at_preview_index=d+_[^1]/.test(location.search)){ location.search=location.search.replace(/(at_preview_index=d+_)d+/, ‘$11’)} 「ブックマーク」>「ブックマーク マネージャー」>(3点リーダー)「新しいブックマークを追加」 同様にExperience B 、Experience Cも登録します。 Experience B javascript:if(/at_preview_index=d+_[^2]/.test(location.search)) {location.search=location.search.replace(/(at_preview_index=d+_)d+/, ‘$12’)} Experience C javascript:if(/at_preview_index=d+_[^3]/.test(location.search)) {location.search=location.search.replace(/(at_preview_index=d+_)d+/, ‘$13’)} QA URLを表示 アクティビティのアクティビティQAからQA URLのExperience Aを呼び出します。 ブックマークの呼び出し Experience Bの確認を行いたい場合は、登録したブックマークを呼び出します。エクスペリエンスがExperience Bに切り替わります。 おまけ 同様に、「他のすべてのアクティビティに対してデフォルトコンテンツを表示」についてもURLパラメーターの「at_preview_listed_activities_only=」の値が異なるだけなので、おまけとして、「他のすべてのアクティビティに対してデフォルトコンテンツを表示」を切り替えられるブックマーク用スクリプトを紹介しておきます。 ・他のすべてのアクティビティに対してデフォルトコンテンツを表示オン javascript:if(location.search.includes(‘at_preview_listed_activities_only=false’)) {location.search=location.search.replace(‘at_preview_listed_activities_only=false’, ‘at_preview_listed_activities_only=true’)} ・他のすべてのアクティビティに対してデフォルトコンテンツを表示オフ javascript:if(location.search.includes(‘at_preview_listed_activities_only=true’)) {location.search=location.search.replace(‘at_preview_listed_activities_only=true’,…

Customer Journey Analytics移行準備に役立つAnalytics Inventoryの概要

はじめに データドリブンな意思決定が重要視される現代において、データ分析はビジネスの成功に欠かせない要素です。しかし、組織内に散在するデータを有効活用するためには、データの所在や内容を把握し、管理する必要があります。そこで注目されているのがAnalytics Inventoryです。 Analytics Inventoryの概要 Analytics Inventoryは、プロジェクト数、コンポーネント、レポートスイート、ユーザー数など、Adobe Analytics環境の全体像を把握するためのツールです。特に、Customer Journey Analyticsへのアップグレードを準備する際に役立ちます。   主な機能 組織内のアセットの把握: レポートスイート、セグメント、ユーザー、ワークスペースプロジェクトなど、移行が必要なアセットと不要なアセットを特定できます。     移行計画の策定: 移行前にアセットの整理や統合を行うべきか、また、どのレポートスイートを最初にアップグレードするかなどの計画を立てるのに役立ちます。 レポートスイートの詳細分析 組織内のアセットの把握: レポートスイート、セグメント、ユーザー、ワークスペースプロジェクトなど、移行が必要なアセットと不要なアセットを特定できます。 移行計画の策定: 移行前にアセットの整理や統合を行うべきか、また、どのレポートスイートを最初にアップグレードするかなどの計画を立てるのに役立ちます。 レポートスイートの詳細分析: 過去90日間のヒット数 ディメンションと指標の数 Analytics for Targetやマーケティングチャネルが有効になっているか Source Connectorが有効になっているか (つまり、Customer Journey Analyticsに移行可能か) ディメンションと指標の分析: 各レポートスイートで定義されているディメンションと指標の詳細を確認し、移行に適しているかを判断できます。 データのエクスポート: レポートスイート、ディメンション、指標のリストをCSVファイルにエクスポートできます。 フィルタリング、検索、並べ替え: テーブル内のデータをフィルタリング、検索、並べ替えすることができます。 利用方法 Analytics Inventoryには、Admin ConsoleのAnalyticsの管理メニューからアクセスできます。   今後の機能 ユーザー管理機能は、今後のリリースで利用可能になる予定です。   まとめ Analytics Inventoryは、データ分析を効率化し、データドリブンな意思決定を支援する強力なツールです。また、このツールを活用することで、Adobe Analytics環境の全体像を把握し、効率的なアセットの移行計画を立てることができます。 Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。ご興味がありましたらお問い合わせください。

Adobe Analyticsにおける「バウンス」と「直帰」の違いとは?

はじめに Webサイトの分析を行う際、「バウンス」と「直帰」という言葉を耳にすることが多いでしょう。一般的には同じような意味で使われがちですが、Adobe Analyticsではそれぞれ異なる概念として定義されています。今回は、この2つの指標の違いについて説明します。 バウンスとは? 「バウンス(Bounce)」は、訪問者がサイトにアクセスした後、1回のヒット(1つのサーバーコール)のみで離脱した場合を指します。Adobe Analyticsでは「バウンス回数」としてカウントされ、1ページのみを閲覧して離脱したセッションを意味します。(例) ユーザーが検索結果からWebサイトにアクセスし、ページを閲覧せずにすぐに閉じた。 ユーザーが広告をクリックしてWebサイトにアクセスしたが、数秒で別のサイトに移動した。 このようなケースは「バウンス」に該当します。 直帰とは? 「直帰(Single Page Visit)」は、1ページしか閲覧されなかった訪問を指しますが、Adobe Analyticsにおける定義はヒット数に関係なく、1ページのみで完了した訪問となります。つまり、1ページの中で複数のイベント(例えば、動画再生やボタンのクリック)が発生した場合でも、他のページへ移動しなければ「直帰」としてカウントされます。(例) ユーザーがブログ記事を読んでからサイトを離脱した。(スクロールでイベントが発生) ページ内で動画を視聴し離脱した(動画視聴でイベントが発生) この場合、イベントが発生しているため「バウンス」にはカウントされませんが、「直帰」としてカウントされます。 バウンス率と直帰率の違い Adobe Analyticsでは、次のように定義されます。 バウンス率(Bounce Rate) = バウンス数 ÷ 訪問数(Entries) 直帰率(Single Page Visit Rate) = 直帰数 ÷ 訪問数(Entries) バウンス率は「1ヒットのみで離脱した割合」、直帰率は「1ページのみで完了した訪問の割合」となるため、バウンス率の方が一般的に低くなる傾向があります。 どの指標を重視すべきか? バウンス率と直帰率のどちらを重視すべきかは、サイトの目的によります。  バウンス率を重視するケース サイト訪問後にすぐ離脱しているユーザーを減らしたい。 最初のページでのエンゲージメント(クリック、スクロール、動画再生など)を増やしたい。 直帰率を重視するケース サイト内での回遊率を高め、複数のページを閲覧してもらいたい コンテンツの質を評価し、次のアクション(ページ遷移やコンバージョン)につなげたい。 まとめ Adobe Analyticsにおいて、「バウンス」は1ヒットのみで離脱した場合、「直帰」は1ページのみ閲覧された訪問を指します。特にイベントトラッキングを活用しているサイトでは、バウンス率が低くても直帰率が高い可能性があるため、それぞれの違いを理解しながら分析を行うことが重要です。 サイトの目的に応じて、適切な指標を活用し、ユーザーの行動をより深く理解しましょう!Implement DigitalではAdobe Analyticsの分析を支援するサービスを提供しています。ご興味がありましたらお問い合わせください。